福岡医療専門学校|校友会活動

校友会

校友会報告

第35回校友会を終えて 校友会会長 喜多村 伸明

 令和7年6月15日(日曜日)に、第35回校友会並びに総会が開催されました。校友会会員の先生方にはご多忙の中、ご出席を賜り誠にありがとうございました。
 第35回校友会を開催することができましたのも、ひとえに講師の先生方、並びに理事長はじめ教職員の先生方のご協力のたまものと、重ねて厚くお礼申し上げます。
 基調講演では、順天堂大学 女性スポーツ研究センター 副センター長、順天堂大学 スポーツ健康科学部 教授の鯉川なつえ先生に『女性アスリートの未来を支えるコンディショニング』の演題でご講演いただきました。近年、女性アスリートを取り巻く環境は大きく変化し、競技レベル向上とともに心身の課題が顕在化しています。講演では、特に思春期から若年成人期の女性アスリートが抱える慢性的なエネルギー不足が引き起こす健康問題の重要性が強調されました。「女性アスリートの三主徴」や「相対的エネルギー不足(REDs)」といった概念を詳細に解説し、これらが月経異常や骨粗鬆症のリスクだけでなく、競技パフォーマンスやキャリアの継続性にも大きな影響を与える複合的な要因であるとご指摘いただきました。さらに、適切な栄養摂取、過度なトレーニング回避、体型への過剰な意識の是正、指導者や家族からの期待といった多岐にわたる関連要因についても言及がありました。本講演は、女性アスリートが自身の身体と向き合い、健康を維持しながら長期的に高い競技力を発揮し続けられるよう、持続可能な環境をどのように構築していくべきかについて深く考える、大変貴重な学びと考察の機会となりました。


 講演�気任蓮�Creative-Sports代表、Baseball-Station久留米代表の久保田正一先生に『投球動作から考える解剖学・運動学的観点』の演題でご講演いただきました。本講演では、スポーツ現場で多く見られる投球障害に対し、私たち医療従事者がどのように関与できるのか、その具体的な視点と実践方法を学ぶことができ、大変有意義な時間となりました。特に、フォーム指導は野球経験者にしかできないという先入観を打ち破り、解剖学的・運動学的知見に基づいた「医療従事者だからこそできる指導」の重要性を再認識いたしました。投球動作の各フェーズ(ワインドアップ、テイクバック、アクセレレーション、リリース、フォロースルー)における問題点について、豊富な実例とともに解説いただき、理論と実技の両面から学ぶことができました。また、単なる技術的な指摘にとどまらず、動作の背景にある筋力や柔軟性の問題、オーバーユースといった要因にも言及されており、選手個々の状態を多角的に捉える視点の大切さを痛感しました。今後は、選手の訴える痛みや違和感を表面的にとらえるだけでなく、動作の根本にある原因を探り、再発予防やパフォーマンス向上につなげる支援ができるよう、今回の学びを現場で実践できる治療家となるための大変貴重な学びとなりました。


 講演�兇任蓮⊆�慶医療科学大学大学院 医療管理学研究科客員教授の安藤英次先生に『X線撮影の撮影技術とは』の演題でご講演いただきました。講演では、特にX線撮影の立位・座位撮影の大切さについてご教示いただきました。教科書に載っている臥位撮影(寝て撮影)では、病気や痛みの原因が判明しない可能性があるが、立位・座位撮影(立って・座って撮影)では、体重をかけて撮影をするため、関節の狭小化やアライメントの評価ができるため痛みの原因が判明する可能性が高くなることを学びました。在校生や卒業生にとっても今後、診療放射線技師として働いていくうえで大変貴重な学びの機会となりました。



 講演�靴任蓮∧_�大学筑紫病院 看護部 集中ケアセンター・救急外来の山浦章平先生に『支える力 救う想い 〜広がる看護の活動領域〜』の演題でご講演いただきました。本講演では阪神・淡路大震災および東日本大震災における被災地の凄惨な状況を視覚的に伝えてくださるとともに、災害看護の成り立ちについてご教示いただきました。DMATとしての熊本地震および能登半島地震、国際緊急援助隊としてトルコ・シリア地震での救護活動、そして、それぞれの救護活動でのリアリティを惜しみなく伝えてくださいました。看護は、人間がもつべく能力を最大限に発揮することが不可欠です。しかし、医療機器の進歩に伴い、その能力に委ねてしまう傾向が否めません。被災地では、限られた資源や時間のなかで「あるものを使う」という想像力・状況判断能力が求められます。山浦先生は、災害看護の魅力を伝えてくださるとともに、看護の本質と看護の原点に立ち戻ることの気付きを与えてくださいました。また、平素から災害への意識を再認識する機会にもなりました。



 講演�犬任蓮¬声N彎殴札鵐拭実緝修寮邵衞声�先生に『臨床現場における診立てとレッドフラッグ(視診とバイタルで自律神経3タイプを診る)』の演題でご講演いただきました。本講演では、患者様の体質がどのような傾向なのかを調べる方法と、施術を行う際のレッドフラッグ、見逃しては命に係わる疾患について講演していただいた。施術で結果を残すためには、その疾患だけを見ていては期待する結果を残すことはできない。施術効果を高めるためには、患者様の体質や性質を考慮にいれる必要がある。体質や性質は、顔では白目の色、黒目の位置、瞳孔の散大縮小、前頭部や頬骨部や下顎部の造形で、手では母指球小指球、指の長さ太さ、傾きなどで、判断を行う。また、日常の癖の中に潜むレッドフラッグ、ぎっくり腰に潜むレッドフラッグ、打撲に潜むレッドフラッグ等は、鑑別するのに何か特殊な方法を要することはなく、そのことを知っていれば、その患者様の命を助けることができ、適切な処置を行うことができるということを紹介していただきました。



 講演�垢任蓮�(一社)北辰会 学術副部長で清明院院長の竹下有先生に『北辰会方式の鍼灸治療−講義と実技−』の演題でご講演いただきました。前半は北辰会の概略、北辰会方式の鍼灸治療についてご講演いただき、後半は北辰会方式による体表観察と鍼治療を実演していただきました。前半の講演での「東洋医学をカリキュラムの中で学習し、国家試験で出題されるのは鍼灸師だけ」「鍼灸師の強みは東洋医学のスペシャリストであること」など、東洋医学を極める竹下先生の言葉は強い説得力を感じました。後半の施術の実演では、事細かな体表観察、対症療法ではなく根本的な原因を東洋医学的視点から明らかにして一穴のみの治療配穴に至るまでの流れ、北辰会方式による撓入鍼法、打鍼法、古代鍼法による施術の実演、いずれも日々の臨床で磨かれた技術を惜しみなく実演していただきました。卒業生にとっては普段の臨床に東洋医学を取り入れる強みを再認識するきっかけに、在校生にとっては東洋医学の臨床応用を実際に見ることができる良い機会になりました。



 講演終了後には校友会総会が開催されました。田中副校長の挨拶の後、第1号議案の令和7年度校友会役員改選、第2号議案の令和6年度決算及び令和7年度予算案について諮ったところ満場一致で承認可決されました。
 講演におきましては、講師の先生方の惜しみないご理解とご協力により、大変充実した会として好評のうちに閉会することができました。心より御礼申し上げます。
 さて、校友会としましては、今後も会員の皆様の旧交を温める機会や、在校生との交流、臨床に役立つ勉強の機会を提供していきたいと考えております。次回は、令和7年11月16日(日曜日)を予定しています。
 今後も卒業生、在校生、教職員が一体となって協力し、福岡医療専門学校さらには医療界の発展に貢献できればと思います。終わりに、校友会会員ならびに関係各位の皆様のご健康と更なるご活躍を祈念いたします。



 


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