校友会

校友会報告

第19回校友会を終えて 校友会会長 喜多村 伸明

 平成30年6月17日(日)、本校において第25回校友会並びに総会が開催されました。校友会会員の先生方には、多事ご多忙の中、また遠路よりご出席を賜り誠にありがとうございました。
 第25回校友会を開催することができましたのも、ひとえに理事長はじめ教職員の先生方のご指導、ご鞭撻、並びに部活動の皆様のご協力によりできたことと重ねて厚くお礼申し上げます。
 講演気任蓮藤田整骨院院長の藤田裕紹先生をお招きし、『柔道整復師という仕事〜急性外傷の整復・固定法およびデイサービス併設型接骨院〜』と題して講演して頂きました。
 講演では、最初に柔道整復師は医師以外で骨折・脱臼などの外傷に対して処置できる唯一の資格であり、人の自然治癒力を引き出す柔道整復術の技術の素晴らしさを感じてほしい。また、人生の究極の目的は「誰かの為に役立つ」ことであり、自分が幸福になるには他人を幸福にしなければならないと、働く意義についてお話をされました。
 次に、肩関節脱臼の整復、橈骨遠位端部骨折及び前腕両骨骨折の整復から固定までを動画を使用し説明されました。どの整復も非常に素早く、固定は副木を使用し、固定範囲も患部の上下一関節ではなく損傷部位のみの固定で、教科書とは違い驚かされました。
 最後に、介護保険について、柔道整復師は機能訓練指導員として携わることができ、整骨院とデイサービスとの組合せは非常に相性が良いので、これから積極的に参入してほしいとのことでした。3つのテーマ全てに、藤田先生と患者様との間の信頼関係を感じ取れ、信頼関係の構築の重要性を改めて気付かされる講演でした。
 お昼の休憩では、サッカー部によるキーマカレーの軽食販売が行われ、卒業生と在校生との交流ができました。また、求人・就職相談も行われました。
 講演兇任蓮△呂謠灸院院長の田邊美晴先生をお招きし、『不妊治療〜鍼灸師としての関わり方〜』と題して講演して頂きました。田邊先生は明治国際医療大学をご卒業後に京都「なかむら第二針療所」にて約5年間勤務され、中村一徳先生のもとで不妊治療を学ばれました。その後、広島市に「はる鍼灸院」を開業され、現在、JISRAM(日本生殖鍼灸医療標準化機関)の学術部委員も兼任されています。
 昨今、不妊治療の鍼灸へのニーズは高まりつつあり、今回、鍼灸師としての関わり方について貴重なお話しをして頂きました。鍼灸の不妊治療といっても、できることは限られており、患者との関わり方や信頼関係、知識量の必要性を強調されました。患者とのコミュニケーション(問診)による情報の収集、患者のデマンド、最良の治療方針をしっかりと話し合い、双方合意の上で目標に向かい全力で取り組む姿勢が重要であり、また、患者が背負う精神的負担も理解する必要があると説明されました。晩婚化や初産年齢の高齢化などの社会変化もあり、限られた時間の中での治療であることや、どれだけ時間とお金をかけても不可能なことは存在することなど、臨床上で遭遇する具体的な事例を交えて、卵巣や卵管等の器質的な問題でなければ、鍼灸治療の併用による結果は良好であり、30歳以下、31〜34歳、35〜39歳、40歳以上で大きく結果が違うことを、エビデンスを提示して説明して頂きました。
 卵子の機能には、排卵から着床まで栄養の提供を大きく受けずに独自の力だけで経過し、分裂・成長するため、この期間の卵子の栄養状態が問題であり、よい状態の卵子が排卵されればしっかりと胚盤胞まで成長し、着床できることや、性交後、射精された精子は異物とみなされ、女性の体内では免疫が働き、妊娠を阻害することがあり、それを抑える免疫寛容についても理解が必要であることをお話しされました。
 鍼灸治療はスーパーライザーを使用し、直接体表から深部7cm程にある卵巣に刺激を与え、血流をよくすることが目的で、これが栄養状態のよい卵子を育成させることにつながり、また、同様にスーパーライザーを使用し星状神経節への刺激をいれることで、免疫寛容を行うことなど目的に沿った実技を紹介して頂きました。その他、背部の取穴は志室、腎兪、次膠、胞肓等、下腿の配穴は陰陵泉、三陰交等に鍼通電を行い、以上のような配穴の治療をおおよそ2週間に3回を目標で行うと、治療開始から3〜4ヶ月後にはとても状態のよい卵子が作られ、人工授精を行うにしてもよい採卵が可能となることを説明されました。実技中も参加者からの質問に対して積極的にお答え頂き、とても熱心に対応して頂きました。
 今回の参加者は、比較的最近卒業した女性が多く、不妊治療に対する興味が高いことが伺えました。また、少子高齢化に伴い、不妊治療のニーズが高まりつつある中、鍼灸師としての役割が今後大きく変化をもたらす可能性があると感じました。
 講演靴任蝋眞琉緡迭惘\貲す峪奸認知神経リハビリテーション学会理事・事務局長の園田義顕先生を講師にお招きし、『脳の予測機構と認知神経リハビリテーション』と題して講演して頂きました。講義内容としてはまず、海外で行われた死体からの両前腕移植患者に対する認知神経リハビリテーションの実際を動画にて映し、治療によって筆記が可能となるレベルまで回復する過程と、各回復段階における認知神経リハビリテーションの様子を紹介されました。その後、感覚情報入力から運動出力に至る情報処理過程についてお話しされ、動作を観察する際には、受容体としての身体として観察する必要があり、その運動を変えようと思った場合は、運動発現の前の感覚レベルから変えていく必要があることを強調されていました。また、Anokinの条件反射(学習)の神経生理学的メカニズムの話の中で、ヒトは情報(社会的状況、他者との関係、価値観等)によって運動のプログラミングを変えている点を強調されていました。講義後半は、一次運動野の分類としてOld M1とNew M1を概説され、それぞれの機能や入力される感覚情報の違いについての説明や、皮質脊髄路の発達と機能についてお話しされました。また、痙性のメカニズムを説明しながら、sensory motor networkへの介入の重要性をお話しされていました。講義全体を通して、最近の知見を紹介しながら、臨床現場における病態解釈に必要な情報をお話しいただき、学生に対しては少し難しい内容であったかもしれませんが、卒業生に対しては非常に有益な時間になったと感じました。
 講演におきましては、講師の先生方の惜しみないご理解とご協力により、大変充実した会として好評のうちに閉会することができました。心より御礼申し上げます。
 さて、校友会としましては、今後も会員の皆様の旧交を温める機会や、在校生との交流、臨床に役立つ勉強の機会を提供していきたいと考えております。次回は平成30年11月18日(日)を予定しています。今後も卒業生、在校生、教職員が一体となって協力し、福岡医療専門学校さらには医療界の発展に貢献できればと思います。終わりに、校友会会員ならびに関係各位の皆様のご健康と更なるご活躍を祈念いたします。