福岡医療専門学校 2024 SCHOOL GUIDE
46/56

45日本国内で、リンパ浮腫に対して積極的に治療を行っている医療機関は、ごくわずかです。福岡医療専門学校では、リンパ浮腫の治療ができる理学療法士・看護師を養成します。炎症はリンパ浮腫を発症、増悪させる危険因子です。リンパ浮腫の患肢は免疫機能が低下し細菌感染を起こしやすくなっているので、皮膚の保清、保湿、保護が重要です。弾性包帯や弾性着衣で圧迫を行った状態で運動を行います。骨格筋を収縮、弛緩させることにより付近の静脈やリンパ管を継続的に圧迫し、血液、リンパ液の還流を促します。附属臨床施設のリンパ浮腫治療センターでは、ドイツのフェルディクリニックや、リンパ浮腫指導技能者養成協会でリンパ浮腫の複合的理学療法(CDT)を学んだ専門技士が治療を行っています。治療初日リンパ浮腫治療は、病院内で行う治療だけでなく、家庭での日常生活指導が重要です。浮腫の悪化を防ぎ、改善していくためのセルフケアについて細やかな指導を行います。弾性包帯、弾性着衣(スリーブ、ストッキング)などで継続的な圧迫を行います。効果的な圧迫は、浮腫が進行するのを防ぎ、浮腫の軽減を期待できます。治療1年5か月スキンケア圧迫下での運動治療リンパ浮腫の複合的治療圧迫治療リンパ浮腫についてリンパ浮腫には、一次性(原発性)と子宮がん、乳がん、卵巣がんや前立腺がんなどの手術や放射線治療後に起こる二次性(続発性)があります。乳がんでは腕や手、婦人科がんや前立腺がんでは主に脚や足先に浮腫(むくみ)がおこります。 がん患者の増加に伴い、年間1万人前後がリンパ浮腫に罹患すると推定されています。正しい治療で浮腫の改善が可能リンパ浮腫は完治することが難しい疾患であるため、発症を予防することが重要です。発症した場合には継続した治療が必要となり、重症化すると日常生活に支障をきたし、生活の質が低下することになります。しかし、リンパ浮腫の病態を十分に理解して適切な生活指導や治療を行えば、それ以上の悪化を防止することができ、進行例であっても浮腫を改善させることが可能です。用手的リンパドレナージ患部に貯留したリンパ液を、障害のない他の領域に送り込む手技です。貯留した間質液のリンパ管への取り込み、リンパ輸送量の増加、線維化した組織の改善が期待できます。生活指導リンパ浮腫治療

元のページ  ../index.html#46

このブックを見る